まぶたを閉じた後、上を向いて垂直に浮上し天井の肌触りを両手で確かめてから勢いをつけて後ろにくるりとまわり、つま先と踵が天井に触れたはいいけれど、回転の勢いが強かったから流れのままにつま先は浮き上がり、踵を支点として背中は天井に叩きつけられた。
バランスを崩してしまい、部屋中の家具や小物の重力が失われ、四方八方に飛び散ったが焦らずに、乱れた方向感覚を整えて、ゆっくりと立ち上がると、全て元通りに安定した。
そして、両足で天井に立てたから、この部屋の上下がまるであたかも逆転しているかのように思えた。
がしかし、普段とは異なる法則の中で身体を動かしすぎたからなのか、もしくはそれに肉体がついていけなかったからなのか、車酔いのような吐き気のような気持ち悪さを感じ、まぶたを開けてそれまでの想像を中断した。