僕はスープを飲みながら眠っていた。 眠っていた僕は、階段から足を踏み外す夢を見て、階段から転けないようにと体が動いた。 体が動いた勢いで僕の飲んでいたスープはこぼれてしまい、テーブルの上に水面が出来た。 出来た水面に映った僕の顔は、さっきまで眠っていたから別人のような表情で、別人を見た衝撃でハッと目が覚めた。 目が覚めると、テーブルにはスープがこぼれていていた。

新宿三丁目の裏道を歩いていて、裏道を歩いていたのでゲイバーが沢山あった。 カズミチがバカラのグラスに注いだアルコール飲料を飲んでいると、ウィスキーを飲んでいる僕にカズミチが話しかけた。 君がこの店に通うようになって一年ほど経ったねと、新宿三丁目にある寂れたゲイバーで私が店子として雇ったカズミチが、20代後半と思われる男性に話しかけている。 私はカズミチの男癖の悪さを知っていて、カズミチと関係を持った客は、このゲイバーに来なくなるので、どうしたものかと考えている。考え事をしながら食器を洗っていたので、手を滑らせてバカラのグラスを割ってしまった。 手から滑り落ちたバカラのグラスが割れた音なんて、僕には聞こえておらず、金髪で色黒なカズミチの口説き文句に僕はうっとりした。 恐らく今日この男と、一夜を共にできると確信したから、俺はこの男性の名前を思い出さないといけない。名前を忘れていると悟られるとまずいから、俺は気を引き締めた。 普段よりも男らしい張り詰めた表情のカズミチを僕は、強く抱きしめてやりたいと男性は思ってるのだろうと、私は考えた。

痴呆症の祖母は自分に言い聞かせるように話す。亡くなった祖父が大の猫好きで、野良猫に今日も餌を与えに行ったから、私は床下に住み着いた野良犬に餌をあげに行かないと。ベッドの上で寝たきりの祖母がそう話すのを私は聞いていた。祖母は自分に言い聞かせるように話すため、会話はほぼ成立せず、そのため私は祖母らの会話に耳を傾けるだけになる。同じ会話を繰り返す祖母は、床下に住み着いたアカと名付けた野良犬に、私は餌をあげに行かないといけないと言うから、私はアカはもう死んだよと言い聞かせたが私はアカに餌を与えに行かないといけないと言って聞かない。臆病なアカはずっと床下に居たから、祖母の家に訪れる度に祖母がアカに餌を与える様子を私は見ていた。私はアカに餌を与えに行かないといけないと、祖母に言い訳を言って、祖母は喋り続けているけれど、私はその場を立ち去った。